コンプレッサー「メイクアップゲイン」完全ガイド|音量補正の正しい設定方法。
- あなたのコンプレッサー設定に何が足りないのか
- この記事を読むと解決できること
- セクション 1:メイクアップゲインの「よくある勘違い」
- セクション 2:ゲインロス量を知ることが、すべての始まり
- セクション 3:測定方法は 3 つ。正確さの順に紹介
- セクション 4:メイクアップゲインを設定する 3 ステップ
- セクション 5:「あれ、うまくいかない」ときの対処法
- セクション 6:「耳を鍛える」トレーニング法
- セクション 7:メイクアップゲイン設定を「見える化」する
- セクション 8:トラブル時の「解決マップ」
- セクション 9:プリセットに頼らない理由
- セクション 10:よくある質問(FAQ)
- セクション 11:チェックリスト
- まとめ
- 入り口編最後に
- 著者について
あなたのコンプレッサー設定に何が足りないのか
コンプレッサーを使っているのに思った通りの音にならない。以下のどれかに当てはまっていませんか?
- メイクアップゲインを上げたら「圧縮が無駄になる」気がする。
- GR メーターを見ても、メイクアップゲインをいくらに設定すればいいかわからない。
- Auto Makeup Gain を使ったら、思ったのと全く違う音になった。
- 並列圧縮でメイクアップゲインをどこで設定するのかわからない。
- フェーダーとメイクアップゲインの違いがわからず、いつも混乱する。
これらの悩みの99%は、メイクアップゲインの役割を正しく理解すれば解決します。
なぜなら、メイクアップゲインこそが「圧縮後の信号を復元し、後段のプロセッサーへ正しいレベルで送る」最も重要な機能だからです。
メイクアップゲインが間違っていれば、A/B比較で正確な判定ができず、ミックス全体のゲイン構造が崩れます。
この記事を読むと解決できること
✅ GRメーターを見て、メイクアップゲイン値を一発で計算できる(3 分で設定完了)。
✅ 圧縮ON/OFFのA/B比較で「本当の圧縮効果」だけを正確に聞き分けられる。
✅ ボーカル・ベース・ドラム・並列圧縮など、楽器ごとに最適な設定フローがわかる。
✅ メイクアップゲイン設定でよくある失敗3つを事前に回避し、即座に対処できる。
結果:メイクアップゲイン設定の迷いがなくなり、どのプロジェクトでも一貫性のあるミックスができるようになります。
セクション 1:メイクアップゲインの「よくある勘違い」
1-1 メイクアップゲインとは
多くの初心者が、メイクアップゲインについて以下のように思い込んでいます。
- 「メイクアップゲインを上げると圧縮が無駄になる」
- 「フェーダーとメイクアップゲインは同じもの」
- 「Auto Makeup Gainは常に正確」
これらはすべて誤解です。正確には以下の通りです。
メイクアップゲインは、圧縮により低下した信号レベルを復元する機能です。
- 圧縮により失われたゲインロス(平均音量の低下)だけを補う。
- ダイナミクス圧縮(信号の詰まり)は残ったまま。
- プロセッサー内部の出力段階で機能する(フェーダーとは別物)。
メイクアップゲインに「正解値」は存在しません。なぜなら、ゲインロス量(圧縮量)は入力信号と圧縮パラメータに完全に依存するからです。
1-2 なぜ同じ設定がうまくいったり、うまくいかなかったりするのか
例1:固定値思考による失敗
「ボーカルは+3dB、ベースは+5dB」という固定値で設定している場合、それはその特定の圧縮量が前提になっています。
別のトラックで圧縮パラメータ(Threshold・Ratio)が異なれば、ゲインロス量も異なるため、同じメイクアップゲイン値でも全く違う結果が生まれます。
例2:「ノイズが増えた」と感じる理由
これはメイクアップゲインの副次効果です。
- 圧縮により平均音量が3dB低下。
- メイクアップゲイン+3dBで補正。
- その過程で、元のノイズ-70dBも-67dBに持ち上げられる。
- 結果「ノイズが大きくなった」と感じる。
重要なのは、ノイズ自体が圧縮されているわけではないということです。
セクション 2:ゲインロス量を知ることが、すべての始まり
2-1 メイクアップゲイン設定の最初のステップ
同じコンプレッサーなのに、時々うまくいき、時々うまくいかない。
その理由は、ゲインロス量(圧縮による音量低下)が毎回異なるからです。
ゲインロス量は以下の要素で決まります。
- Threshold:圧縮が始まるレベル。
- Ratio:圧縮の強さ(2:1 ~ ∞:1)。
- 入力信号の実際のレベル。
同じプラグインを使っても、これらの要素が違えばゲインロス量は完全に異なります。
2-2 メイクアップゲインを決める前にやること
ステップ 1:圧縮パラメータを先に確定する
- Threshold を設定 → 圧縮の対象となるレベルを決める。
- Ratio を設定 → 圧縮の強さを決める(2:1 ~ ∞:1)。
- Attack / Release を設定 → 圧縮の反応速度を決める。
ステップ 2:GR(Gain Reduction)メーターを確認する
実際に「何dBの圧縮が起きているのか」を目で確認できる状態を作ります。
これができていないと、メイクアップゲイン設定は「勘」に頼ることになります。
ステップ 3:その後でメイクアップゲインを決める
例えば、GRメーターが平均-3dBを示すなら、メイクアップゲイン = +3dBで実験を始める、という流れになります。
セクション 3:測定方法は 3 つ。正確さの順に紹介
3-1 方法A|GR メーターを読む(最も正確)
ほとんどのコンプレッサープラグインには「GR Meter」が装備されています。
- 信号が Threshold に達していないとき:GR = 0dB。
- 圧縮が動作しているとき:GRメーターが減少量を表示。
- 例:GR = -3dB → 圧縮により最大3dBの減衰。
- 例:GR = -6dB → 圧縮により最大6dBの減衰。
やること:平均的な圧縮量を目視確認し、その値をメモして設定します。
3-2 方法B|入出力レベルメーターで比較
プラグインが入出力ピークメーターを備える場合。
手順:
1. Inputメーター確認 → ピークレベルをメモ(例:-3dBFS)。
2. Outputメーター確認 → 圧縮後のピークをメモ(例:-9dBFS)。
3. 差分計算 → -3dBFS から-9dBFS = 6dBロス。
4. メイクアップゲイン = 6dBに設定。
3-3 方法C|音で判定する(実用的)
手順:
1. メイクアップゲインを 0 dB に設定。
2. 圧縮 ON/OFF を何度も切り替え。
3. 「大きく/小さく」変わらないポイントを探る。
4. 両者がほぼ同じ音量に聞こえたら、そこがマッチポイント。
注意:完璧にピークを揃える必要はありません。「ほぼ同じ音量に聞こえる」が目標です。
セクション 4:メイクアップゲインを設定する 3 ステップ
4-1 「見ながら」設定する理由
多くの初心者がつまずく点は「聴いても違いが分からない」ということです。
解決方法は簡単で、目で見えるメーター(GRメーター)を使うです。
実際の流れ:
- Threshold・Ratio・Attack・Release を先に確定。
- GRメーターを常に表示。
- 圧縮を動作させる。
- GRメーターが「-3~-6 dB」を示したら記録。
- メイクアップゲイン = その値に設定(例:-3dBなら+3dB)。
4-2 楽器ごとのメイクアップゲイン設定
ボーカルの場合
目標:圧縮後の出力を『入力前と同じレベル』に復元。
| 項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|
| GRメーター | 平均-4dB | Ratio 4:1 で自然な圧縮 |
| メイクアップゲイン | +4dB | ゲインロス分を復元 |
| 確認方法 | 圧縮 ON/OFF 切り替え | 音量がほぼ同じか判定 |
設定の流れ:
- GRメーター確認 → 平均4dBのゲインロスを記録。
- メイクアップゲイン = +4 dB に設定。
- 圧縮 ON/OFF を切り替え → 音量がほぼ同じか判定。
- ミックスに戻す → フェーダーで最終調整。
注意:メイクアップゲインで全体が上がるため、高周波ノイズ(息音・サビ音)も一緒に上昇する可能性があります。事前にEQやDe-Esserで対処します。
ベーストラックの場合
目標:圧縮のゲインロスをリセット → 2 段目(並列)の圧縮へ適切なレベルで入力。
| 項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|
| GRメーター | 平均-4~-5dB | Ratio 3:1 でタイトな制御 |
| メイクアップゲイン初期値 | +4.5dB | ゲインロス分を復元 |
| 微調整 | 音で確認 → +4dBに落ち着く | より自然に聞こえた |
ポイント:並列圧縮との組み合わせで、この直列圧縮で「コアのタイト感」を作り、Auxで50%の並列圧縮を加えると「グルー感 + パワー感」が出ます。
ドラムキット全体(バスコンプ)の場合
目標:ドラム全体に『グルー』感を持たせる。
| 項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|
| GRメーター | 平均-2~-3dB | Ratio 2:1でライトな圧縮 |
| メイクアップゲイン | +2.5dB | ゲインロス分を復元 |
| 確認 | A/B テスト | バスレベルが安定しているか確認 |
心理音響的効果:メイクアップゲインで全ドラムが『ラウド化』 → これが『グルー感 = まとまり感』として知覚されます。
セクション 5:「あれ、うまくいかない」ときの対処法
5-1 「ノイズが大きくなった気がする」と感じたら
よくある勘違い:「メイクアップゲインでノイズも圧縮されているんじゃないか」
実際は違います。ノイズは圧縮されません。メイクアップゲインで相対的に持ち上げられているだけです。
例:
- GR メーター:-3dBのゲインロス確認。
- メイクアップゲイン:+3dBで補正。
- 元のノイズ -70 dB が、-67dBに上昇。
- 「ノイズが大きくなった」と感じる。
対策:
- Auto Makeup Gain 機能をオフにして、手動で微調整。
- 事前に Noise Gate を導入して無音部分を遮断。
- High-Pass Filterで100Hz以下のノイズ成分をカット。
5-2 「メイクアップゲインを上げてもまだ音が小さい」
原因候補:
- A)圧縮が強すぎる:GRが-10dB 以上で、メイクアップゲイン+10dBでも不十分。
- B)別のプロセッサーでロスしている:複数のプロセッサーで累積ロス。
- C)DAWフェーダーが低い:メイクアップゲイン段階ではなく、トラック全体の問題。
対策の優先順位:
- 最初:圧縮パラメータを見直す → Thresholdを上げる、Ratioを下げる。
- 次に:チェーン上のその他プロセッサーを確認 → EQ・Saturator 各段階でレベル低下がないか確認。
- 最後に:DAW フェーダーで最終調整。
5-3 「Auto Makeup Gain が思ったのと違う」
症状:Auto Gainを使ったら、急激な音量変化で「何が起きているのか不明」
原因:プラグイン実装の限界。信号内容が毎回変わるため、静的計算では不足。
対策:
- AutoからManualに切り替え → 確実性を取る。
- GRメーターを目視確認 → 手動で数値を決める。
セクション 6:「耳を鍛える」トレーニング法
6-1 極端な設定から学ぶ
最初は「聴感」ではなく「視覚」で学びます。
ステップ 1:極端な圧縮を体験する
- Ratio:4:1 に固定。
- Threshold:極限まで下げる(-60 dB 程度)。
- Attack:最速。
- Release:中程度。
- 結果:すべての信号が圧縮される = 明らかな変化が聞こえる。
これで「これが圧縮だ」という基準が、あなたの耳に刻み込まれます。
ステップ 2:段階的に調整する
- Threshold:少しずつ上げていく(-60 dB → -50 dB → -40 dB …)。
- 各段階で GRメーターを確認。
- 「-3~-6dB」のポイントで止める。
- メイクアップゲインを設定。
6-2 「AとBを比べる」
最も効果的な学習方法:
- コンプレッサーをON → Aバージョン として保存。
- コンプレッサーをOFF → Bバージョン として保存。
- ここが重要:音量を完全に同じにする(メイクアップゲインで調整)。
- 素早く切り替えて「差」を聴く。
なぜ音量を同じにする必要があるのか?
「大きい方が良く聞こえる」という心理バイアスがあるから。
メイクアップゲイン補正なしだと「圧縮版が小さく聞こえて判別不可」になってしまいます。
6-3 ドラムで学ぶ理由
ドラムを使うと「メイクアップゲイン設定の結果」が最も明確に聞こえます。
ドラムには、
- トランジェント(立ち上がりの瞬間)
- サステイン(音の伸び)
この両者が含まれるため、圧縮とメイクアップゲイン設定のどちらの側面にも影響が見え、初心者が「変化を聞き分けやすい」というわけです。
セクション 7:メイクアップゲイン設定を「見える化」する
7-1 GR メーターの「正常値」
メイクアップゲインが「いい塩梅」かどうかは、GR メーターで判断します。
目安:
- -1~-2dB:圧縮がほぼ効いていない。
- -3~-6dB:理想的(初心者はここから始める)。
- -6~-12dB:中程度の圧縮。
- -12dB以上:かなり強い圧縮(注意が必要)。
計算式:
メイクアップゲイン = GRメーターの平均値(絶対値)
例:GR メーター平均-4dB → メイクアップゲイン+4dB
7-2 「流れ図」で判断する
何か「変だな」と感じたら、この流れで確認してください。
1. GRメーター表示を見る
↓
2. ほぼゼロ?
→ 圧縮が効いていない(Threshold を下げる)。
↓
3. -3~-6dBの範囲?
→ 理想的(メイクアップゲイン = その値に設定)。
↓
4. -12dB超えている?
→ 圧縮が強すぎる(Thresholdを上げる、Ratioを下げる)。
↓
5. 音で確認「音がつぶれた」と感じる?
→ 圧縮パラメータを見直す。
セクション 8:トラブル時の「解決マップ」
| 状況 | 最初に疑うこと | 調整方向 | 念のため確認 |
|---|---|---|---|
| 圧縮ON/OFFで音量が違う | メイクアップゲイン未設定 | GRメーター値に設定 | A/B比較で判定 |
| ノイズが大きくなった | メイクアップゲイン多すぎ | 見直す | Noise Gate導入 |
| Auto Gainが思ったのと違う | プラグイン精度の問題 | Manual に切り替え | GRメーター確認 |
| 並列圧縮でバランスが取れない | Makeup Gainと Aux フェーダーの混同 | Makeup Gainで復元 → Auxでミックス量調整 | 信号フロー図で確認 |
| 複数圧縮で音が小さい | 各段階でメイクアップゲイン未設定 | 各段階で復元 | チェーン全体を確認 |
セクション 9:プリセットに頼らない理由
9-1 なぜプリセットは「外れ」やすいのか
例えば、YouTube動画で紹介されているプリセット値「ボーカルコンプは +3 dB makeup」を試しても、まったく効かないことがあります。
理由:その動画を作った人の圧縮設定(Threshold・Ratio)が、あなたの設定と異なるからです。
具体例:
- チュートリアル作成者:Ratio 4:1・GR-3dBを前提で「+3dB makeup」と紹介。
- あなた:Ratio 6:1・GR-6dBで同じ値を試す。
- 結果:全く異なる音量バランスになる。
有効度:
- 同じプロジェクト内、同じ圧縮設定 → 20~40%の確度。
- 別のプロジェクト → ほぼ運次第。
9-2 毎回「最初から設定」する正しいやり方
- 今回のプロジェクトの圧縮パラメータを確定。
- GRメーターで「ゲインロス量」を測定。
- そのゲインロス量に基づいて、自分でメイクアップゲインを計算。
- 例:GRメーター平均-4dBなら、メイクアップゲイン+4dBで実験開始。
- プリセットは「参考情報」に留める。
手間に見えますが、実は「毎回試行錯誤」より早いです。
セクション 10:よくある質問(FAQ)
- Qメイクアップゲインを上げると圧縮が無駄になる?
- A
いいえ、無駄になりません。
圧縮効果(ダイナミクス詰まり)は残ったままです。
具体例:
- 元の信号:ピーク20dB ~ 0dB(変動幅 20dB)。
- 圧縮後:ピーク12dB ~ 0dB(変動幅 12dB)← 詰まった。
- メイクアップゲイン+5dB:ピーク 17dB ~ 5dB(変動幅 12dB)← 変動幅は同じまま。
つまり、メイクアップゲインは『音量を上げるだけ』。圧縮による『ダイナミクス詰まり』の効果は失われません。
- Qメイクアップゲインとフェーダーの違いは?
- A
根本的に異なる段階で機能します。
項目 メイクアップゲイン フェーダー 実行段階 圧縮プロセッサー内部(出力段階) DAWトラックレベル調整(最終段) タイミング 圧縮直後 ミックス全体バランス調整時 用途 ゲインロス補償 + 信号チェーン整合 ミックス全体のトラック音量管理 例:メイクアップゲインで圧縮後の出力を復元 → フェーダーでそのトラックをミックス内で位置づける(2 ステップ)。
- QGR メーター「-3~-6dB」がちょうどいいと言われるのはなぜ?
- A
これは「圧縮が聞き始める」心理的・物理的な閾値だからです。
- -1~-2dB 以下:圧縮がほぼ聞こえず、初心者は「何も起きていない」と感じる。
- -3~-6dB:初心者の耳が「変化」を認識できる領域。
- -12dB以上:極端な「スマッシング」感で、初心者は「何か変だ」と感じやすい。
「-3~-6dB」で開始することで、初心者は「これが圧縮である」という基準を耳に刻み込めます。
- Q複数の圧縮を直列接続するときメイクアップゲインはどうする?
- A
各段階で『出力 = 入力』のレベルマッチングを実施してください
信号フロー:
Input (-10dBFS)
↓
Compressor1(Ratio 4:1) → GR-4dB
↓
Makeup Gain1:+4dB ← ここで入力前と同じレベルに復帰
↓
Compressor2(Ratio 2:1)→ GR-2dB
↓
Makeup Gain2:+2dB ← ここで復帰
↓
Output (-10dBFS)理由:各プロセッサーが『想定レベル』で動作するため、後段の挙動が予測可能になります。
- Q並列圧縮でメイクアップゲインはどこで設定する?
- A
Aux トラック(ウェット信号)のコンプレッサー内で設定します。
信号フロー:
ボーカル Input
├─ Track A(ドライ信号) → Fader A。
│
└─ Track B / Aux(ウェット信号)。
├─ Compressor(強圧縮) → GR -6 dB。
├─ Makeup Gain:+6 dB ← ここで圧縮ロスを補償。
└─ Aux フェーダー:-5 dB ~ 0 dB で最終ミックス量調整。役割:
- Makeup Gain:Auxのゲインロス補償 → 後ろの EQ・Reverbに適切なレベルで到達。
- Aux フェーダー:ドライとウェットのミックスバランス調整。
- QLUFS(ラウドネス計測)との併用は必要?
- A
より精密な設定をしたい場合は有効です。
LUFS を使った検証方法:
手順:。
1. 入力信号を計測 → ラウドネスメーター確認(例:-12 LUFS)。
2. 圧縮 ON・メイクアップゲイン OFF で計測(例:-18 LUFS)。
3. メイクアップゲイン +6 dB 設定で計測(例:-12 LUFS)。
4. ステップ 1 と 3 の LUFS 値がほぼ一致 → メイクアップゲイン適切注意:ピークレベルとLUFSは異なります。LUFSは知覚ラウドネス(心理音響)を数値化。
セクション 11:チェックリスト
この記事を読み終わったら、以下を実行してください。
□ 今のプロジェクトの圧縮パラメータを確定する。
□ GRメーターを「常に表示」に設定する。
□ ゲインロス量を測定し、メイクアップゲイン値を計算する。
□ A/B比較の時に「必ず音量を一致させる」。
□ Auto Makeup GainをOFFにして手動設定を習慣化する。
□ 5 つの楽器別プリセットを「自分で」作成する(この記事の表を参考)。
□ ノイズが増えたら、まず Noise Gate 導入で試す。
□ 結果を記録して「自分だけのメイクアップゲイン辞書」を作る。
まとめ
- メイクアップゲインに「正解値」はない → 毎回、GR メーターでゲインロス量を測定するところから始まる。
- ゲインロス量の測定が第一ステップ → プリセット依存症からの脱却。
- GR メーター -3~-6 dB が基準 → 初心者の耳トレーニングの出発点。
- A/B 比較は音量一致が絶対 → 心理バイアスの排除。
コンプレッサーのメイクアップゲイン設定は「勘」ではなく「測定と計算」に基づいています。
この記事の方法を実装すれば、設定時間が大幅に短縮され、複数のプロジェクトでも一貫性のあるミックスが可能になります。
入り口編最後に
コンプレッサー入口編いかがでしたでしょうか。
パラメーターごとに深掘りしてお伝えしてきました。
全6記事の内容をある程度理解すれば、コンプレッサーの調整で悩むことはなくなります。
後編に続く、回路方式による使い方の違い、バスコンプの使い方など色々なTIPSを用意しているので読んでみてください。
「読む」「見る」「試す」「言語化する」を繰り返していくと学びのスピードは加速するので是非チャレンジしてみましょう。
著者について
NAO(元フリーランス ミキシング・マスタリングエンジニア)
対応ジャンル:Pop、Rock、Hip-Hop、Jazz、Electronic Music基準を言葉にして整理することで成長のスピードが上がります。「何となく良い」から「このくらいだから良い」へ――体験の言語化が、次の現場で役立ちます。
業界経歴:1995 年~2010 年
セッション実績:200 本以上

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