【音源連動】コンプレッサーの使い方③「アタックを極める」入口編

・コンプレッサー

コンプレッサーの入り口編、第1回「スレッショルド」、第2回「レシオ」を解説しました。

第3回では “どのタイミングで音を圧縮するか” を決める「アタック」にフォーカスします。

「アタック」の設定で悩む大半の理由は、

「アタック感が思うように出せない」
「音が抜けず全体の勢いがなくなった」

「音の芯が出ない」

この悩みはアタックを操作することで、どう変化するかをイメージできていないことが原因です。

そしてこの原因は、これまで使ってきた視覚化できるコンプレッサーを使うことで解決できます。そして、

「どんなアタック値だとサウンドがどう変わるか」
「アタックを速く/遅くし過ぎると、どこで勢いやパンチが消えるか」

をリアルタイムに“耳”と“目”で体験的に納得を得られます。

この記事では、

「どんな音がどこでどう変化するか」
「どこまでアタックを遅らせるとバランスやグルーヴが崩れるか」

という実践的な判断軸まで、プロ視点で解説していきます。


今回もMeldaProduction社 MCompressor(無料)を使って解説していきます。

まずは下記リンクからインストールを済ませましょう。
MeldaProduction MCompressor

(引用元:Melda Production)

また、この記事で使用する
・サイン波
・スネアサンプル
・推奨パラメータ
・理解度チェックシート

は、すべてメルマガ登録で入手できます。

読んで終わりではなく、【読む】見る】【聴く】【試す】【結果の言語化を繰り返すと、レベルアップのスピードが格段に上がるので、ぜひ使ってみてください。

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【読む】
アタック(Attack)は、どのタイミングでスレッショルドを超えた音が、圧縮させるか」を決めるパラメータです。

  • アタックを速く(ms値を小さく):立ち上がりの瞬間からすばやく圧縮が始まり、パンチ感や芯が抑えられる
  • アタックを遅く(ms値を大きく):サウンドの鋭い立ち上がり(トランジェント)がそのまま残り、勢い・抜け感・生々しさが強調される

一般的には0.1ms〜100ms程度で調整します。

「どれがベストか?」は素材やジャンル、狙いによって変わるので、目と耳を使った実験を通して体感的に使い分けられるのが理想です。


見る
まずはサイン波を使い、アタック設定の違いが,どのように作用するか見ていきましょう。

※注意※
・動画は無音ですが、サイン波は長く聴いていると不快でしかないので、DAWのトラック音量を最小にしてください。

・グレー(左):原音
・薄赤色(左):設定したアタックによる結果
・Peakメーター(中央):アタックを遅くした後の原音とのPeakの差を確認
・MCompressor(右):アタックの数値が5ms~30msまで上がります。

極端な設定で見ると、
・短いアタックでは音の頭から抑えられる
・長いアタックでは頭が残り、後からゆっくり圧縮され始める
という違いが確認できると思います。

10ms以降では「L字」の角の部分に丸みが出てきます。

このカーブの調整でサウンドキャラクターが大きく変わっていきます。

では次の章では、実際にスネアのサンプルに差し替えてみましょう。


聴く
次はメルマガで配布のスネアサンプルを使い、【アタックとゲインリダクション】の変化を「聴く」パートへ。

  • 灰色(左):原音
  • 薄い赤(左):アタックで減衰した部分
  • Peakメーター(中央):アタックを遅くした後の原音とのPeakの差を確認

アタックが0msの時はスレッショルドを超えた瞬間にアタックの圧縮がはじまったのが確認できました。これが音が詰る原因になります。

そのあとアタックを2msずつ上げていくことでアタック部分が強調された後に余韻部分に圧縮がかかっていたのも確認できたと思います。

よくある間違いで、アタック成分の少ないサンプルのアタックを出そうとしてコンプを使うのはNGです。

その場合は、アタックのあるサンプルに差し替えたほうが良い結果が出ることが多いです。


試す
今度は好きなスネア(やキック・クラップ等)のサンプルを使って「アタックだけを動かす」実験をしてみましょう。

この段階では、レシオ・リリース等は既定値のままでOKです。
目的は「同じ設定でもサンプルごとにアタック・音の立ち上がりの変化が違う」と気づくことです。

「この音にはこのくらいのアタックがちょうど良い」
「逆に潰れすぎる」

と自身の基準を増やしていくと、ミックス全体の精度が上がります。


結果の言語化
ここまで実践した内容を「理解度チェックシート」に書き出してみて下さい。

●目的は“正解”を書くことではなく、“自分がどこまで理解したか”を目と耳で整理することです。
●上手く言語化できなければ、それこそが今後の伸びしろです。

「読む・聴く・試す・言語化」を繰り返して必ずクリアしましょう

この専用チェックシートもメルマガ登録特典で配布していますので、気軽にご活用ください。

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「コンプレッサー編」第4回「リリースを極める」では音の奥行を作る方法を徹底解説します。

Threshold × Ratio × Attack × Release × Knee × Makeup gain

を網羅することでミックス精度を大きく上げられますので、次回もお楽しみに!

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