第1回はコンプレッサーの“入り口”とも言える スレッショルド(Threshold) にフォーカスします。
DTM初心者の頃は、「スレッショルド設定」で、
「どの値で“自然なまとまり”になるのか」
「ピークが減っても音の芯や音抜けまで消えてしまう」
――そんな悩みを何度も経験しました。
筆者の場合は、MCompressorなどの視覚化できるプラグインと出会って
「どの音量から圧縮されるのか」
「強くかけすぎると、どこでサウンドの勢いやアタックがどう失われるか」
をリアルタイムで目と耳で確認できる、実践的なコツをつかみました。
この記事では、漠然と値を動かすのでなく、
「どんな音がどこでどう変化するか」
「自分の音源で何を聴き、どこまで圧縮をかけるとバランスが崩れるか」
といった体験・判断の基準まで、プロの視点で具体的に解説します。
MCompressorをインストール
今回の解説にはMeldaProduction社のMCompressor(無料)を使用します。
精密な可視化やカスタム圧縮カーブなど多機能で、初心者からプロ志向までおすすめのコンプレッサープラグインです。
まずは下記リンクよりインストールしてご準備ください。
MeldaProduction MCompressor

(引用元:Melda Production)
※ほかにも多数の高品質フリープラグインがありますので、この機会にぜひチェックしてみてください。
また、この記事で使用している
・サイン波
・サンプル音源
・パラメータの設定
・理解度チェックシート
は、すべてメルマガで受け取れます。
読んで終わりではなく、【読む】【見る】【聴く】【試す】【結果の言語化】を繰り返すと、レベルアップのスピードが格段に上がるので、ぜひ使ってみてください。
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スレッショルドの基本を解説
【読む】
スレッショルド(Threshold)は、どの音量のラインを超えた瞬間からコンプレッサーの圧縮が働き出すかを決めるパラメータです。
たとえば,原音のピークから-12dBに設定すると、“入力音が-12dBを超えた部分だけ”コンプレッサーが作動します。
また、スレッショルドを超えた音量がどれくらい圧縮されるかはGR(ゲインリダクション)で確認することができます。
「-3dB〜-6dBくらい」圧縮と記される教科書も多いですが、必ず自分で最小から最大まで動かして“音がどう変わるか”を耳で確かめることが成長への近道です。
スレッショルドの動きを見てみる
【見る】
まずは単純なサイン波でスレッショルドとゲインリダクションの関係を見る実験です。
※注意※
・動画は無音ですが、サイン波は長く聴いていると不快でしかないので、DAWのトラック音量を最小にしてください。
それでは、サイン波を使ってスレッショルドとGR(ゲインリダクション)の関係性を見ていきましょう。
灰色:原音の音量
薄い赤:スレッショルドで抑えた音量
薄い緑:スレッショルドによって抑えられた音量(ゲインリダクション量)
視覚的に理解しやすいように極端な設定にしています。
波形の音量-6dBを下回ったところから圧縮が始まり、ゲインリダクションが効き始めているのがわかると思います。
言語化すると難しく感じますが、スレッショルドの仕事はこれだけなんです。
想像より単純だったと思います。
では次の章では、実際にスネアのサンプルに差し替えてみましょう。
スネアに差替えて聴いてみる
【聴く】
ここでは、メルマガでお渡ししたスネアの音源を使って、スレッショルドとGR(ゲインリダクション)の動きの変化による、音の変化、音量の変化、聴いてみましょう。
灰色:原音の音量
薄い赤:スレッショルドで抑えた音量
薄い緑:スレッショルドによって抑えられた音量(ゲインリダクション量)
※注意※ 音が出ます
スレッショルドで抑えるほど、原音のピークを越えた部分から圧縮が始まり、さらに強くすると“アタック”や全体の音色が変わるのがわかります。
これが
「スレッショルドは、どの音量になったら、コンプレッサーをかけるか」
の理解につながります。
深く説明しだせば色々あるんですが、スレッショルドってなに?の部分を理解するには、これを覚えておけば問題ないです。
他のスネアサンプルでも試す
【試す】
ここでは、あなたが持っている「スネアサンプル」を使って試していきましょう。
今の段階では、レシオ、アタック、リリースの調整まではお伝えしていないので、前の章の「スネアに差替えて聴いてみる」でセッティングしたままでOKです。
ここでの目的は「同じセッティングでスレッショルドを動かすだけでもサンプルによって音の変化の仕方が違う」ということだけ理解できれば100点満点です。
理解度を確認する
【結果の言語化】
ここまで学んだことを「理解度チェックシート」に書き出してみましょう。
目的は“正解を書くこと”ではなく、あなたの耳と脳が今どこまで理解しているかを整理することです。
誰に見せるものでもないので、思ったことをそのまま素直に書いてOKです。
もし言葉にできない部分があれば、それは伸びしろと捉えてください。
繰り返し「読む・聴く・試す・言語化」をすれば必ずクリアできます。
この専用チェックシートもメルマガ登録者限定で配布**しています。言語化に困ったときはぜひ活用してください。
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次回予告
「コンプレッサー編」第2回「レシオを極める」では音の存在感を作る方法を徹底解説します。
Threshold × Ratio × Attack × Release × Knee × Makeup gain
を網羅することでミックス精度を大きく上げられますので、次回もお楽しみに!
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